「技術士を取ってから転職しようと思っている」
「資格がないと、建設コンサルの転職は不利になる?」
「RCCMでもいいのか、技術士じゃないとダメなのか分からない」
そんな悩みを持つ方へ向けて、この記事では技術士が転職でどう効くのかを、現役の大手建設コンサル社員が本音で解説します。
先に結論を言うと、技術士は転職に必須ではありません。
そして、資格学校のサイトにはあまり書かれていないことですが、「技術士を取ってから転職活動」という順番は、実は悪手です。
その理由を、データと現場の実感の両方から説明していきます。
結論:技術士は「必須」ではない。ただし取得を待つのは悪手
まず全体の結論を整理します。
なぜ「待つ」がダメなのか。それを理解するために、まず技術士がなぜ評価されるのかの仕組みから見ていきましょう。
技術士が転職で評価される本当の理由

技術士(ぎじゅつし)は、科学技術分野の国家資格で、建設コンサル業界では代表的な資格です。
でも、転職市場で技術士が評価される理由は「すごい資格だから」ではありません。もっと現実的な仕組みがあります。
会社が「仕事を取る」ために有資格者が必要
建設コンサルの仕事の多くは、国や自治体から発注される公共事業です。
この設計業務では、管理技術者(業務全体を管理する責任者)や照査技術者(成果物をチェックする技術者)を置くルールになっていて、この役割に就くには原則として技術士やRCCMなどの資格が必要です。
つまり、こういう構造です。
技術士が転職で有利になるのは、「本人の実力の証明」というより、「会社の売上に直結する存在だから」。この構造を知っておくと、この後の「資格が効く会社・効かない会社」の話が理解しやすくなります。
大手ほど「技術士だらけ」という現実
実際、大手の技術士保有率はかなり高いです。
※各社公式サイト等の公開情報より算出(技術士数÷従業員数)。詳細は建設コンサルタントランキングの技術士保有率セクションへ。
上位の会社ほど「持っていて当たり前」の文化に近づきます。ただし、これは「資格がないと入れない」という意味ではありません。入ってから取る人が大半です。
合格データを見ると「待てない」理由が分かる

ここからが本題です。「取ってから転職」プランの現実を、データで見てみましょう。
※日本技術士会の統計より。数値は年度により変動します。
注目してほしいのは平均年齢42.8歳という数字です。
技術士二次試験は、受験に実務経験が必要なうえ、合格率は約10%。一発合格は少数派で、複数回受験が普通の世界です。その結果、合格者の中心は30代後半〜40代になります。
つまり「技術士を取ってから満を持して転職」というプランは、平均的には「40歳前後でようやく転職活動を始める」プランになりがちだということです。

「取ってから」にこだわると、動き出しが40代になりがち。もったいないよね〜

若さも立派な武器ですからね〜🤘
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資格の効き方は「行き先」で変わる
もう1つ大事なのは、技術士の価値は行き先によって全然違うということです。
| 行き先 | 資格の効き方 |
|---|---|
| 地方の建設コンサル | RCCMが効きやすい。技術士なら尚強い |
| 大手の建設コンサル | 技術士・RCCMともに評価される |
| 他業界(コンサルファーム等) | 資格はほぼ不問。若さ・地頭・経験が武器 |
だからこそ、資格の勉強を始める前に考えるべきはこの順番です。
「自分はどの道に行きたいのか」→「その道で資格は求められているのか」
自分の道と、相手(転職先)の需要のマッチを早めに把握する。資格取得は、そのあとの手段の話です。
RCCMという選択肢
RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)は、建設コンサルタンツ協会が認定する資格で、技術士と同じく管理技術者・照査技術者になれるのが最大のポイントです。
| 技術士 | RCCM | |
|---|---|---|
| 資格の種類 | 国家資格 | 民間資格(建コン協会) |
| 必要な実務経験 | 経路により4〜7年程度 | 大卒で7年以上 |
| 合格率 | 建設部門 約10% | 25〜40%前後 |
| 管理・照査技術者 | なれる | なれる(該当部門) |
| 評価される場面 | 全国区・大手で強い | 地方で効きやすい。大手でも評価される |
「技術士は難しすぎて何年かかるか分からない…」という人にとって、RCCMは現実的なもう1つのルートです。多くの会社で資格手当の対象にもなっています。
なぜ「取ってから転職」が悪手なのか

ここまでの材料を組み合わせると、「取ってから転職」の何が問題なのかが見えてきます。
理由1:ポテンシャル採用の窓が閉じていく
転職市場にはポテンシャル採用(実績よりも将来性を評価する採用)という枠があります。主戦場は20代〜30代前半です。
- 建設コンサル内の転職でも、若いほどポテンシャル枠で受けられる会社が増えます
- 資格取得を待って数年過ごすと、この窓は着実に狭くなっていきます
理由2:「他業界ルート」の扉が閉じる
建設コンサルの経験者には、実は業界の外に出る道もあります。代表例がコンサルファーム(総合コンサル・シンクタンク等)への転職です。
ここで重要なのは、コンサルファームは技術士を求めていないということ。評価されるのは若さ・地頭・論理的思考力・プロジェクト経験です。
つまり資格取得を待つことは、「資格が要らない世界へのキャリアアップの可能性」を自分から手放すことでもあるんです。
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理由3:「今の市場価値」は資格がなくても確認できる
「でも資格がないと相手にされないのでは…」という不安は、実際に求人を見れば解消できます。
技術士必須の求人は一部で、「歓迎要件」扱いが多数派。資格なしで応募できる求人は普通にあります。人手不足の業界なので、実務経験そのものに価値があります。
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現役の視点:じゃあ、どう動くのが正解か

筆者(現役大手建設コンサル社員)の考えをまとめると、この順番です。
状況別・動き方マトリクス

まず「どこに行きたいか」を決める。資格はそのあとの手段だよ

順番、大事ですね〜
まとめ
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・合格率・平均年齢等は日本技術士会の公開統計(令和6年度)に基づきます。数値は年度により変動します。
・技術士保有率は各社公式サイト等の公開情報から算出した概算値です。
・管理技術者・照査技術者の資格要件は発注機関・業務内容により異なる場合があります。
・記事内の見解は筆者個人の経験に基づくものであり、転職の成果を保証するものではありません。







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